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address)へ、また名宛人が営業所または郵送先を有しない場合には、常住居所へ配達された時に、名宛人に到達したものとする」旨の規定を設けている(同第24条)。1993年現在の同条約加盟国は、中国、米国、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア等34カ国であるが、わが国はまだ批准していない。条約加盟国のなかには、批准に際して、同条約の契約成立に関する条項を削除した国もあり、契約成立の時および場所については、条約加盟国といえども必ずしも統一されていないのが現状である。
(注)1980年国際物品売買契約に関する国連条約(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods,1980)
国連・国際商取引法委員会(UNCITRAL)により起草され、1980年にウィーンで開催された外交会議で採択されたので、ウィーン売買条約と呼ばれている。1992年11月に発効した。
(3)UNCITRALのEDIモデル法
UNCITRALのEDI作業部会では、1993年から「EDI及びこれに関連する通信手段の法的側面に関するモデル法」(Draft Model Law on Legal Aspects of Electronic Data Interchange(EDI)and Related Means of Communication)の作成に取組んでいる。1993年草案は「統一規則案」(Draft Unifom Rules)という名称であったが、1994年草案は「モデル法案」(Draft Model Law)と改められた。
EDI作業部会における1993年統一規則案の審議に際して、契約成立の時および場所に関する次の意見が述べられている。1993年統一脚案では、「申込の承諾を構成するメッセージが受信者により受信された時[および場所]」(at the time [and place] where the message constituting acceptance of an offer is received by the recipient)となっていた(第12条および第13条)。この規定について、EDIにより締結された契約成立の時に関する明示的規定が必要であるとする意見と、契約の成立時期についてはそれぞれの準拠法に任せるべきであって、契約法の問題に介入すべきではないとする意見が対立した。また、「承諾を構成するメッセージが...受信された時」に関する規定を設ければ、受信された場所が契約成立の場所であるから、契約成立の場所に関する規定は不要であるとの意見に対して、例えば、メールボックスが契約とは無関係の第三国にあるような場合

 

 

 

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